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 お産のはなし3



くらいお風呂の中で
羊水にちかい塩分のお湯のなかで
うまれたあかちゃんは
おおきな産声をあげない。
寒い空気や、まぶしすぎる光に
いっきにさらされることが無いので
びっくりすることもなく
ゆるやかな、環境の変化になれていく。
あたたかいお湯の中で、おだやかに
家族にむかえられることができた。


お風呂に浸かって
ふわふわとういているあかちゃんの
まずは巻きついたへその緒をゆっくりとはずし
しばらくは、しずかに
あかちゃんとのときをすごした。
はねたが写真をなんまいか撮ってくれた。
時間は13時16分だった。


ムギは
やはりお風呂場の入り口あたりで
こっちを見ながら泣いていた。
あとで聞いたら
こわかったんだそうだ。
気もちわるかったとも言うていた。
もうあのお風呂に入るん、嫌やーとも思ったそう。


胎盤がでてくる気配がないので
とりあえず、布団に移動することにした。
あかちゃんのからだは
胎脂におおわれていて
手からすべりおとしてしまいそうなくらい
べたべたとしていた。
これが、動物性のものをとらないひとなら
そこまでべっとりとはしていないそうだ。
妊娠してから、わたしもお肉や魚はほとんど口にしなくなってきたが
これまでの人生のなかではいっぱい食べてきたからな。
わたしが今までたべてきたもので
つくられているあかちゃんのからだ。
これからもしばらくは、わたしのおっぱいで
大きくなるのだ。



べたべたとしたこの胎脂が、
皮膚を保護するので
あかちゃんは数日お風呂に入らなくても
この脂にまもられる。
かるくタオルで水分をふきとるだけで充分。
いいかんじにしっとりしたあかちゃんを
だきかかえたやっちゃんと
あかちゃんのおへそにいまだつながったままの私は
ヨロヨロしながら
ゆっくりと布団の敷いてあるへやに入った。



   お産のはなし4へつづく



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